★ ドラゴン・ヘッド '03日 出演・製作他 妻夫木聡 SAYAKA 藤木直人 山田孝之 根津甚八 原案:望月峰太郎 監督:飯田譲治 製作プロデューサー:平野隆 【評価】9
チラシ 修学旅行の帰りの高校生青木テル(妻夫木聡)を乗せた新幹線は原因不明の事故に遭遇し、静岡のトンネル内に閉じ込められる。 テルの他に、同級生の瀬戸アコ(SAYAKA)と高橋ノブオ(山田孝之)だけが奇跡的に生き残る。 3人は救助を待つものの、ノブオは暗闇の恐怖に飲み込まれ、狂気に走っていく。 一方、テルとアコは襲いかかる闇の恐怖から逃れ、トンネルから脱出する。しかし、地上で二人を待っていたのは荒廃しきった大地だった。 一体何が起こったのか?天変地異なのか?核爆弾なのか?タイムスリップなのか?絶望と希望が交差しながら、2人は東京を目指す。 しかし、地上で生き残っていた狂気溢れる脱走自衛官・仁村(藤木直人)や暴徒とか化した人々、 そして龍頭(ドラゴンヘッド)と呼ばれる謎の存在が二人の前に現れる。 世界は本当に終わってしまったのだろうか? 感想 すごい。 「ドラゴン・ヘッド」という漫画の名前は聞いたことはあるけど、読んだことはなく人気なのは知っていた程度。 その漫画の実写映画化で、これは相当すごい。 漫画を知らないから先を知らない。 それも手伝ってか次がわからない内容に引き込まれた。 テル役に妻夫木を採用するのならアコ役のSAYAKAはどうかと思う。 少し幼すぎる気もする。もう少し高校生に適した人がよかったかも。 でも配役はまぁ我慢できるし、文句ないと言えば文句はない。 この俳優陣の、特に妻夫木はかなりいい。自然な演技。 これは出来そうで出来ないから凄い。 更に山田くん。自分は完全に彼をなめてました。 名前とか顔とかチラッと見聞きする程度であまりたいしたことないと勝手に決めていた。 ところが彼は凄まじい怪演ぶり。 あの民族化粧とでも言うべきか、謎の模様を顔と上半身に施した姿は夢に出てきそうなほど怖い。 ちなみにチラシのウラもその顔。怖い。 内容についてだが、無理の無い内容。 一歩間違えば、明日、もしくは今この瞬間にでも起こりうることだと思う。 本当に細かいとこに突っ込むなら、日本以外の国でも同様のことが起こっていたかどうか? 起こってないと他国からの救済があるし、起こっていたんやろう。 それとあれだけの灰を吸って病気にならないものか? 肺がおかしくなりそうな気もするけど、それくらいかな。 そして内容もさることながら映像。 これはこの映画の素晴らしいところの一つで、数年前では考えられないほどのリアルさ。 この映画を見てる時に、 「日本も頑張ればすごい映画を作れるやん!」 と何度も思った。 これほど日本映画で壮大なスケールの内容を完璧に再現できている作品は見た覚えがない。 アルマゲドンとかもそれ以上のものでも日本も頑張れば出来るということがわかった。 タイトルの「ドラゴン・ヘッド」直訳すると「龍の頭」なんのこっちゃいと思っていたが、 ネタバレ的になるかもしれないが、 あの二人の頭に手術跡がある子供達のことみたい。 あの手術はいわゆる「ロボトミー」と似たようなものか。 自分の知ってる限りドイツとかで実際に脳の一部を切除する手術があったらしい。 犯罪者などに行いおとなしくする方法やったような。 実際日本でも昔は行われていたらしい。 それはさておき、もし自分がこの状況に置かれたならすぐに死ぬと思った。 こんなに頑張って生き延びようとするだろうか? 実際なったらわからないけど、どうやろう。東京に着いた時点で希望が無いことを悟ると死ぬかな。もしくはあのご飯食べる。 これは見た人によるだろうが、確かに「絶望と希望の物語」だ。 世界の終末映画は数多いけど、その中でもリアリティでは1番かも。 しかもアメリカとかの映画になると必ずハッピーエンドだが、これは違う。 ハッピーともバットともつかない、見た人に先をゆだねる形。 これは賛否両論を呼びそうな作品。なんども言うが、日本映画とは思えないほどCGが使われており、その全て違和感なく再現されている。 これを見た後思ったことは今までの日本は単にやる気がなかったんやと思った。 アメリカ映画などに負けてる点は資金だけのはず。映画のネタ(漫画、小説)などは掃いて捨てるほどあるし、素晴らしい俳優もたくさんいるのにもったいない。 この映画には本気を感じた。 最後に、個人的に思ったことはアメリカで上映して欲しいな。 もしくはその他の国で。 かなりの一大センセーショナルを呼び起こしそう。自分は大満足の映画だった。 いまんとここの夏イチの作品。 8/9 御堂会館
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